Concept

私は、聖書に書かれている言葉やモチーフからイメージしたかたちを、銅版画やドローイングなどで表現しています。

「器」のかたちは、制作を始めた初期のころから中心的なモチーフとなっています。

「器」は私たちの日常生活の中で何かを入れる為に作られたものですが、聖書の中では「器」を人間に喩えている箇所がありまして、

人間は、土の器であり、ひとつひとつの形に意味があり、目的があって作られたものだと書かれています。

その「器」のかたちを、自分自身の内面、周りの人々、そして時に社会や国と重ね合わせてイメージをしていくと、

それは、時に船のかたちになり、また、牛、家‥と変化していきます。

そのように、聖書の中から出てくるイメージをかたちにしていく過程の中で、いつの時代も変わらない本当のものかたちを探していきたいと考えています。                       

2020年 6月